ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の合格率と難易度【2026年版】19.9%への低下は二次試験で起きた
この記事の結論
- 2025年度の合格率はソムリエ19.9%、ワインエキスパート26.4%。直近5年で最も低い水準
- 下がったのは一次ではなく二次。ソムリエの二次合格率は92.0%(2024年度)から49.0%へ半減した
- 一次合格率はソムリエ23.6%、ワインエキスパート39.8%でほぼ横ばい。関門の重心がテイスティングへ移った
- 公表される「合格率19.9%」と、初受験者が一年で受かる「ストレート合格率10.0%」は別の数字
- 2つの呼称の差は知識レベルではなく、受験資格・母集団・三次試験の有無という構造の差
- 2026年度は一次7月15日〜8月26日、二次9月28日、三次11月9日
2025年度のソムリエ試験の合格率は19.9%でした。受験者2,866名のうち、合格したのは570名です。ワインエキスパートは26.4%(3,577名中944名)。どちらも直近5年で最も低い数字です。
「難しくなった」という声はよく聞きますが、どこが難しくなったのかまで踏み込んだ話は意外と見当たりません。合格率を一次・二次・三次に分解すると、2025年度の変化が起きた場所はかなりはっきりしています。
この記事の対象読者
- 受験するかどうかを検討していて、難易度の実像を知りたい方
- ソムリエとワインエキスパートのどちらを受けるか迷っている方
- すでに学習中で、どの関門にどれだけ力を割くべきか判断したい方
ソムリエ試験・ワインエキスパート試験とは、一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が実施するワインの呼称資格認定試験です。 一次試験はCBT方式(会場のパソコンで解答する選択式試験)による筆記、二次試験はテイスティング、ソムリエのみ三次試験としてサービス実技が課されます。
合格率の推移|5年で42.1%から19.9%まで下がった
まず全体像です。過去5年の受験者数・合格者数・合格率を並べます。

| 年度 | ソムリエ 受験者 | 合格者 | 合格率 | WE 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021年度 | 4,517 | 1,902 | 42.1% | 3,490 | 1,421 | 40.7% |
| 2022年度 | 3,766 | 1,132 | 30.1% | 3,469 | 1,143 | 32.9% |
| 2023年度 | 3,224 | 570 | 17.7% | 3,499 | 1,465 | 41.9% |
| 2024年度 | 3,104 | 905 | 29.2% | 3,381 | 1,399 | 41.4% |
| 2025年度 | 2,866 | 570 | 19.9% | 3,577 | 944 | 26.4% |
| 5年平均 | — | — | 29.1% | — | — | 36.6% |
5年で半分以下になったのがソムリエです。42.1%から19.9%まで落ちました。ワインエキスパートは2024年度まで40%前後で安定していたのに、2025年度に26.4%へ下がっています。
ここで注意したいのが、年ごとの上下がかなり激しいことです。2023年度に17.7%まで落ちたソムリエは、翌年29.2%まで戻しています。単年の数字だけを見て「今年は当たり年だった」と評価するのは難しく、受験時期を選ぶ判断材料にはなりません。難易度は平均の29%前後を基準に見積もり、その年の振れ幅は運の要素として織り込んでおくのが現実的です。
受験者数の推移も触れておきます。5年でソムリエは4,517名から2,866名へと36%減り、ワインエキスパートは3,490名から3,577名へ微増しました。飲食業界の人員動向が前者に効いていると筆者は考えていますが、根拠となるデータは持っていません。
難化が起きたのは一次ではなく二次だった
ここが本題です。合格率を試験段階ごとに分解します。

一次試験の合格率はほぼ動いていない
| 年度 | ソムリエ | ワインエキスパート |
|---|---|---|
| 2021年度 | 42.0% | 51.5% |
| 2022年度 | 37.3% | 50.2% |
| 2023年度 | 22.8% | 37.4% |
| 2024年度 | 25.8% | 39.7% |
| 2025年度 | 23.6% | 39.8% |
2023年度に一段下がって、そこから3年はほぼ横ばいです。ソムリエは22.8%→25.8%→23.6%、ワインエキスパートは37.4%→39.7%→39.8%。2025年度の一次試験は、前年と比べて難しくなっていません。
二次試験(テイスティング)で合格率が半分になった
| 年度 | ソムリエ | ワインエキスパート |
|---|---|---|
| 2021年度 | 85.1% | 70.2% |
| 2022年度 | 77.9% | 57.7% |
| 2023年度 | 75.6% | 88.3% |
| 2024年度 | 92.0% | 90.9% |
| 2025年度 | 49.0% | 62.8% |
ソムリエは92.0%から49.0%へ、ワインエキスパートは90.9%から62.8%へ。ソムリエの二次試験は、通過した人と落ちた人がほぼ半分ずつという結果でした。
2024年度までの二次試験は、90%前後が通る関門でした。一次を突破できれば、そのまま合格まで進めるという前提が受験者の間で共有されていたと思います。2025年度はその前提が崩れました。

低下の理由についてJ.S.A.から詳しい説明は出ていません。受験者の分析では配点の重心がブドウ品種の判定へ移ったことを指摘する声がありますが、これは公式の発表ではないため【要確認】として扱ってください。事実として言えるのは、二次試験の通過率が前年の半分近くまで落ちた一年があったということだけです。
対策の意味では、原因の特定より数字そのものが重要です。二次試験を「一次を通れば大丈夫な確認作業」と見なす前提は、もう置けません。
三次試験は逆に易しくなっている
ソムリエだけに課される三次試験(サービス実技)の合格率は、2023年度58.2%、2024年度75.1%、2025年度86.6%と3年連続で上がっています。5年平均は82.5%。二次を通過できれば、最後の関門はそれほど心配しなくてよい水準です。
つまりソムリエ試験の関門は、かつての「一次が山場」から「一次と二次の二段構え」へ移りました。
「合格率19.9%」と「初受験者の合格率10.0%」は別の数字
もう一つ、数字の読み方で押さえておきたい点があります。
公表される全体合格率の分母には、前年に一次試験を通過して二次から受験する人(一次試験免除者)が含まれます。この人たちは一次という最大の関門を済ませているため、全体合格率を押し上げます。

一次から順に受けて、その年のうちに認定まで到達する割合を「ストレート合格率」と呼びます。こちらが初受験者にとっての実質的な数字です。
| 年度 | ソムリエ | ワインエキスパート |
|---|---|---|
| 2021年度 | 33.4% | 36.1% |
| 2022年度 | 23.7% | 28.9% |
| 2023年度 | 10.0% | 33.0% |
| 2024年度 | 17.8% | 36.1% |
| 2025年度 | 10.0% | 25.0% |
| 5年平均 | 20.5% | 31.7% |
2025年度のソムリエは10.0%。10人受けて1人です。全体合格率の19.9%と比べると、体感される難易度はかなり違います。
計算で確かめると構造が見えます。ソムリエの2025年度は一次23.6%、二次49.0%、三次86.6%。これを掛けると 0.236 × 0.490 × 0.866 = 約10.0% で、ストレート合格率と一致します。ワインエキスパートは三次がないので 0.398 × 0.628 = 約25.0%。段階の掛け算で決まる試験だという性質が、そのまま数字に出ています。
一次免除の制度があるおかげで、初年度に一次だけ通しておいて翌年に二次へ集中する戦い方も成り立ちます。一年での合格を前提に計画を組むか、二年計画を許容するか。ここを最初に決めておくと、学習量の配分に迷わなくなります。
ソムリエとワインエキスパートの差は、知識レベルではなく構造の差
合格率だけを見ると「ソムリエのほうが難しい試験」に見えます。ただし一次試験の出題範囲と教本は共通で、問われる知識の水準に差はありません。差がつく理由は3つあります。

第一に受験資格です。ソムリエはアルコール飲料を提供する業務などの実務経験が原則3年以上必要で、ワインエキスパートは20歳以上であれば職業を問わず受験できます。
第二に母集団の性質です。ソムリエの受験者は仕事の合間に学習時間を確保する必要があり、勉強に充てられる時間の総量で不利になりやすい。一方ワインエキスパートには、趣味として長くワインに触れてきた層や、学習時間を確保しやすい層が含まれます。
第三に三次試験の有無です。ソムリエにはサービス実技があり、通過すべき関門がひとつ多い。合格率5年平均82.5%とはいえ、掛け算の項が増えれば全体の数字は下がります。
したがって「ソムリエは知識面でワインエキスパートより難しい」という理解は正確ではありません。受験資格を満たす方はソムリエ、満たさない方や職業と無関係に学びたい方はワインエキスパートという選び方で問題ありません。両者の違いはワインエキスパートとソムリエの違いとは?で詳しく整理しています。
数字から決まる、対策の優先順位
以上を踏まえると、力の配分は次のように決まります。

一次試験は依然として最大の関門です。合格率はソムリエ23.6%、ワインエキスパート39.8%。CBT方式で出題数が多く、1問に割ける時間は30秒前後しかありません。考えて絞り込む余裕はほとんどないため、即答できる知識の量がそのまま得点になります。範囲の広さを前提に、演習量で歩留まりを上げる作業が中心になります。
二次試験は、2025年度の結果を受けて位置づけを見直す必要があります。一次試験の期間が終わる8月26日から二次試験の9月28日まで、間隔はおよそ1ヶ月。筆記が終わってからテイスティングを始めるのでは、準備期間として短すぎます。知識の学習を進めている段階で、主要品種の典型的な特徴をコメントの形で言語化しておく余裕を作りたいところです。
三次試験(ソムリエ)は合格率86.6%。基本的な手順を落ち着いて実行できれば通る水準で、ここに過度な時間を割く必要はありません。
一次対策の演習量については、ソムリエ道場で4択演習2,618問・暗記カード3,551問・論述199問を用意しています。合計6,300問超をスマートフォンで回せるので、通勤時間や休憩時間をそのまま演習に充てられます。学習の進め方そのものはソムリエ試験に独学で一発合格する勉強法にまとめました。
2026年度の日程
| 区分 | 日程 |
|---|---|
| 出願期間 | 2026年3月2日 10:00 〜 7月10日 17:59 |
| 一次試験 | 2026年7月15日(水)〜 8月26日(水)/CBT方式・期間内で日程を選択 |
| 二次試験 | 2026年9月28日(月) |
| 三次試験(ソムリエ) | 2026年11月9日(月) |
一次試験は期間内で受験日を選べます。合否は画面上で即時に分かる方式です。日程・受験料・出願方法の詳細は【2026年度】ソムリエ・ワインエキスパート試験の日程・申込方法・受験料まとめにまとめています。
よくある質問
よくある質問
Q. 合格率が下がり続けているなら、受験は早いほうが有利ですか?
A. 単年の振れ幅が大きいため、年度を選ぶ判断は難しいと考えています。ソムリエは2023年度17.7%の翌年に29.2%へ戻しました。難易度は5年平均を基準に見積もり、その年の当たり外れは制御できない要素として扱うほうが計画は立てやすくなります。
Q. 一次試験に落ちたら、翌年はゼロからやり直しですか?
A. 一次で不合格だった場合は、翌年また一次から受験します。逆に一次を通過して二次で不合格になった場合は、一次試験免除で二次から再挑戦できます。免除は合格した年を含めて5年間有効です。詳しくは試験の日程・申込方法まとめで解説しています。
Q. 独学でも合格できますか?
A. 可能です。一次試験は知識の総量と即答速度で決まるため、演習量を確保できれば独学でも十分に戦えます。判断が難しいのは二次試験のテイスティングで、こちらは実際にワインを飲んで基準を作る作業が必要になります。
Q. 勉強時間はどれくらい必要ですか?
A. 学習開始時点の知識量に大きく左右されるため一律には言えませんが、範囲の広さを考えると数ヶ月単位の準備を前提にしたほうが安全です。残り期間が限られている場合の進め方は一次試験まで約2ヶ月の勉強計画を参考にしてください。
まとめ|難易度は「合格率19.9%」より「段階の掛け算」で捉える
ソムリエ試験の難易度を一言で表すなら、一次で4分の3が落ち、残った人の半分が二次で落ちる試験です。2025年度のソムリエは一次23.6%、二次49.0%、三次86.6%。掛け合わせた10.0%が、初受験者にとっての現実的な数字になります。
数字が下がった場所がはっきりしていることは、対策を立てるうえでは好都合です。一次の演習量を確保しながら、二次のテイスティングを「一次が終わってから」ではなく学習期間の中に組み込んでおく。2025年度の結果が示しているのは、この一点です。
参考文献・情報源
- 一般社団法人日本ソムリエ協会「J.S.A.認定試験」(2026年度の日程・出願要件)
- ワイン受験.com「ソムリエ試験、ワインエキスパート試験の合格率」(年度別の受験者数・合格者数・合格率、一次〜三次およびストレート合格率の集計)
📝 更新履歴
- 2026年8月10日:初版公開。2025年度実績(ソムリエ19.9%・ワインエキスパート26.4%)を反映
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